治療コンセプト
混合歯列期とは、乳歯が永久歯に生え替わっていく時期(7歳~12歳頃)のことです。
この時期は、肉体的にも精神的にもダイナミックな変化を伴う時期でもあります。
顎の成長発育も旺盛で、受け口、出っ歯、開咬などの、骨格が原因する不正咬合の場合、成長に伴って、骨格のズレがより大きくなる可能性があります。
矯正治療(1期治療)により顎の成長をコントロールし、アンバランスの程度を最小限にくい止めることが、この時期の治療目的になります。
また、顎が小さいために起こる乱杭歯(叢生)も、この時期に顎の成長を促すことで、将来歯を抜かないで治療できる可能性が高まります。
そして12歳頃からの永久歯全体の治療(2期治療)で、理想的な歯並びと咬み合わせに仕上げていきます。
よく咬めること(正常な咀嚼機能の回復)により、顔や顎の筋肉がバランスよく発達し、豊かな表情となります。
また口元もすっきりとし、生き生きとした印象になります。
健康的で美しく整った歯並び、さわやかな笑顔は、貴重な財産となるでしょう。
私たちは矯正治療を通して、皆様の健康と幸せに少しでも貢献できればと考えております。
治療の流れ
矯正相談
治療内容(治療方法、期間、費用など)、お悩みの点についてご相談いたします。
検査
写真、レントゲン、歯型などをとります。
診断
検査の結果に基づき、あなたに一番適切な治療方針についてお話しします。
治療準備
歯磨き指導、歯のクリーニング、装置の準備。
治療開始
実際に治療へと進みます。
保定
治療が終了したら、保定治療へと進みます。
検査内容
- 問診、口腔内診査の他、口腔内写真、顔面写真、頭部のレントゲン(頭部X線規格写真)、 歯のレントゲン(オルソパントモグラフィー)等の画像撮影を行います。
-
歯の型をとる代わりに、口腔内デジタルスキャナーを用いてデジタル印象をとります。
三次元データを元に、デジタル模型を作製します。嘔吐反射の強いお子さんにも、無理なく歯および歯列の情報をが得られます。 - サリバテスト(カリエスリスクテスト)により、唾液の性状、虫歯菌の活動性などを調べます。
カリエスリスクテスト
唾液緩衝能
ラクトバチラス菌
ミュータンス菌
口腔内デジタルスキャナー
口腔内デジタルスキャナー
デジタル模型
診断
採得したデジタルデータを、コンピュータ解析します(セファロ分析および治療シミュレーション)。 また上下顎骨の前後的および垂直的バランスを評価し、今後の成長を考慮した上で治療方針を決定します。 サリバテストでは、口腔内の細菌と唾液の性質を評価し、現在の口腔内環境に合わせた虫歯予防プランを作成します。 検査結果を元に十分な相談の上、できる限り希望に沿えるよう適切な治療の計画を立てます。
セファロ分析
頭部X線規格写真
治療方法・装置・その他
1期治療(混合歯列)
1期治療では、主に上顎と下顎の関係を整えたり、顎を大きくして歯がならぶ場所を増やしたりします。 歯ならび咬み合わせは、その後の顎の成長発育に大きく影響するため、異常が認められ部場合はできるだけ早期の改善が望まれます。 正常な筋機能の獲得、スムーズな永久歯列への誘導が、この時期の重要な目的です。 不正の状態に応じ適切な時期に治療を行うことで治療全体が易しくなり、 また治療後の健全な成長発育(精神的にも肉体的にも)が期待できます。 取りはずしのできる装置、半透明なマウスピース型矯正装置(インビザライン:完成物薬機法対象外の装置)、奥歯にバンドで固定する装置など、症状にあわせて治療を行っていきます。
2期治療(永久歯列)
2期治療では、永久歯列完成頃に歯ならび咬み合わせ全体の治療を行います。 12~14歳頃(顎の成長に問題が無い時点)から、本格的な歯列全体の治療を行っていきます。 歯を動かすためにワイヤーの力を利用して歯の移動を行う装置を、マルチブラケットアプライアンスと呼びます。 セルフライゲーションブラケット装置(デーモンクリア)、歯の裏側に装着するカスタムメイド型リンガルブラケット等の種類があります。 通常の治療の他、外科的な処置を併用した治療(外科矯正治療)が必要な場合があります。 ワイヤーを使わない治療として、マウスピース型矯正装置(インビザライン:完成物薬機法対象外の装置)による治療があります。 これは半透明なマウスピースを1日20時間を目安に装着することで歯を移動します。
保定治療
保定治療とは、保定装置を用いて動かした歯が元に戻らないよう固定する治療のことです。 歯の裏側に細いワイヤーを接着したり、半透明なマウスピースを使って固定します。 通院は、3ヶ月~6ヶ月に1回程度で、歯ならび咬み合わせのチェックとクリーニングを行います。